今日の仕事での出来事

僕が働いている店に赤い目をした白髪の老人が来た。
出勤してる人間が少ない事と、僕が接客ではなく入力の担当だったこともあって、番号札を持たないその人を、僕は席でお待ち下さいと案内した。だれかが直ぐに接客するだろうと思って。

カウンター越しにその老人を見ていると、明らかにイライラしてる。無視する僕。
お待ちくださいと言って接客しようとしない女。嫌な予感。限界。
その老人は「この店の責任者どこやー!」と大きな声。凍りつく店内。
こりゃあヤバイと思い、本来はしなくていい接客の業務に向かう僕。

僕「たいへんお待たせして申し訳ありません」

客「いくら待っても誰もこーへんやんけ!(怒)」

僕「番号札お持ちじゃないですか?番号順なんですけど待ちが少なかったのですぐに案内できると思いまして、、、申し訳ありません」

客「番号札?そんなんあったんや、ごめんごめん」
(ここで怒りが収まったと一安心)

僕「ところでご用件は?」

客「あー嫁が死んでな、携帯にロックかかってるからはずしてもらおうと思って。ほら死亡診断書もこの通り。いきなりやったんで、知り合いに電話せなあかんのよ」

僕「あーそうなんですか。では直ぐにロックを解除しますんで!!!」
(ここで、老人と死んだ嫁さんの免許証、死亡診断書を預かる)

バックに戻ってみてみると、老人70歳、嫁30歳・・・・
そして死亡診断書に目をやると、明らかに事故死。なんか胸の中に嫌な感覚を感じる。
あーだから目が赤かったのか。だからあんなにイライラしてたんか。

僕「ではロック解除しときました」

客「ありがとう。いきなり大きな声だしてごめんな。なんかワシおかしいねん」

僕「・・・・・」

客「ありがとう」

僕「ありがとうございました」

いきなりでかい声出す客はいるけど、こういうケースは初めてでびっくりしたのと同時に、なんかすっきりしない感じ。
もっと早く接客してやれたな〜とか色々後から思った。

好きな人がいきなり死んだら、だれだって気持ちが不安定なるよな。


だからなんなんだって聞かれても答えられないけど、仕事中ずっと頭から離れなかった。