老人ホーム

この前知り合いが勤めている老人ホームにカメラマンで行ってきた。
そこは山の中にあって、いくつかの建物に老人が症状に合わせて分けられてて、僕がお世話になったのは寝たきりとか痴呆とかの人が多い建物だった。
その日は新年会で、開始一時間前に到着し、ホームの中を色々見せてもらいました。

まず風呂場なんですけど、そこにはなんとか歩ける人用、まったく歩けない人用で大きく分けられており、今まで見たこと無いようなマシーンが沢山あった。
その後、二階に行き実際に老人の部屋を見せてもらった。そこに一人の優しそうなおばあちゃんが居て、知り合いが話しかけるんだけど耳が聞こえないようで、もう一回大きな声で言うとニコニコ返事してた。その人のベッドの周りには折り紙で作った花とかが山のように飾られていて、凄いな〜って気持ちと、なんかかなしい気持ちになった。理由はわからんけど。そんなこと思って欲しくて飾ってるわけじゃないんだろうけど、僕は勝手に感傷に浸ってた。
その後三階に行くと廊下に老人達が書いた絵が飾られていた。
それは墨で書かれてるんだけど、どれもお地蔵様のように見え、ニコニコしてた。でも今までに感じた事の無いような力強さを感じた。

一通り見て回って話を聞いて、一回の忘年会会場に行くと車椅子の老人達が居て、僕の方を不審な目で見てた。ちょっと恐くて目をそらしたりなんかした。
で、ウロウロ写真を撮ってたんですけど、その中の一人のおばあちゃんが女の子の人形を大事そうに抱っこして、たまに話しかけてた。ぼくはその光景に目を奪われた。きっとここにいる人たちはみんな、どこかに淋しさを持っていて、死というものを肌で感じてるんだろう。みんな目が遠くを見てる。でもそれは恐怖とかじゃなく、潔い感じに思えた。ほんといろんな人が居た。僕のカメラを頂戴と言い続ける人。何にでも興味を示して歩き出す人。ひたすら寝てる人。

僕はもっとシャッターをきるべきだったし、話をするべきだったんだと帰ってから思った。
課題も出来たし、有意義な訪問だった。近いうちに写真UPできたらと思う。